【書籍】おいち不思議がたり
おいち不思議がたり(PHP文芸文庫 あさのあつこ先生)
宮部みゆき先生の本所深川ふしぎ草子以来、
時代小説(っぽい設定)の本が好きになって。
で、奇談好きな自分、としては不思議と書いてあると
気になって気になって。
医者の父の仕事を手伝うおいちは16歳。
おいちには、この世に思いを残したまま死んだ人が見える。
(どっかで聞いた設定のような…)
おいちはさらに、けがをして、父のもとに急患で訪れる
人も予知できたりします。
鵜野屋という薬屋さんとの縁談が浮かんだおいち、
前述の能力から、その鵜野屋さんで起きた事件に気付き、
親方と事件を調べるうちに…
という感じなのですが、この本、文章が瑞々しいですね。
バッテリーの人、という先入観は大いに働いておりますが。
それにしてもミステリーの要素は大きいはずなのに、
人情譚という雰囲気に最後なっている。
これは時代小説のなせる業なのでしょうか。
時代推理もの、という要素もあり、当然悪人も出てくる訳ですが、
爽やかな気持ちにさせてくれる一冊でした。